頼もしいいおぴー

いつもと同じ時間にとうちゃんが帰宅すると、いおぴーはグーグー眠っていた。shokoに聞いたら夕方図書館から帰ってお風呂に入った後、絵本を読んでお話ししていたらそのまま眠ってしまったらしい。

shokoは長野に引っ越すSさんの送別会に出かけるため、とうちゃんが帰るのを待っており、早々に出かけていった。いおぴーが起きたら泣くぞ。

なかなかいおぴーが目を覚まさないので、とうちゃんはネットサーフィンしたり雑誌を読んだりして過ごす。お風呂に入りたいところだが、いおぴーが起きた時、真っ暗でとうちゃんもかあちゃんもいなかったら、パニックでおしっこを漏らす虞があるのでそれもかなわない。

10時になってもいおぴーは起きないので、とうちゃんも寝ながら本でも読もうかと布団の仕度をする。すさまじい寝相ですでに270度ほど回転しているいおぴーを、抱きかかえ寝かせ直そうとしたら、起きちゃった。触らなければよかった。

いおぴーはボケーとしながらも、「おかあさんは?」と不安そうに訊いてくる。とうちゃんはわざとあっさりと「ちょっと出かけたけどもうすぐ帰ってくるよ」と言い、さらに「いおちゃんグーグー寝てるから、おとうさんひとりで寂しかったよ~」とおどけて畳み掛けると、いおぴーは照れくさそうに、「だってね、おかあさんと絵本返しに行って、帰ってきてお風呂はいったの。それでまた借りてきたご本を読んでもらったら、いおちゃん眠くなっちゃったんだもん」と言って笑う。とうちゃんがまた「いおちゃん起きないから寂しかったよ~」と言うと「でも、起きたから大丈夫よ。もう寂しくないでしょ?」と、とうちゃんの肩に手を置いて慰めてくれる。「うん。とうちゃん、もう寂しくないよ」と、とうちゃんが言うと、これで機嫌がよくなったのか、かあちゃんがいないのも気にせず、今日一日の出来事を延々と、とうちゃんに話してくれた。泣かれずに済んだ。

そうして、いおぴーは「おかあさん、帰ってこないねえ」とつぶやきながら、また眠った。かあちゃんいなくても平気ないおぴー。頼もしくなった。

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