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2003年7月11日
アトピー完全克服法
はじめに
2001年7月14日、アレルギー研究室アトポス主催の、「アトピー完全克服法」というセミナーに参加した。もちろん、いおぴーさんのためである。このセミナーでは、アトピーについて、 正しい知識と理論を身につけ行動する意識を維持し、克服するという方針が基本なのだが、いおぴーは幼くて自分で意識を持てないから、とうちゃんとかあちゃんが代わりに正しい知識と理論を身につけて、いおぴーのアトピーを克服しようというわけだ。
考えてみれば、これまでアトピーに効くとか、アトピーに良いらしいといわれるものは、片端から試してきたわけだが、アトピーそのものについては、免疫過剰が引き起こす症状で、その原因はあれこれ取り沙汰されているが結局のところ不明というか、特定できない。という程度の知識しか無かった。克服云々は置いておいても、正しい知識を得て損は無い。そういう意味で非常にためになったセミナーだった。以下はその内容を簡単にまとめたもの。
なお、筆者の理解力の乏しさ故、内容がアトピー完全克服法セミナーの意図するものと異なる可能性がありますが、ご容赦を。
まちがった治療法
現代医療でもっとも一般的なアトピー治療の方法といえば、ステロイド剤の処方であるが、これは使用すると皮膚炎の状態が劇的に改善するので一見効果的のようだが、 副作用、リバウンドなど非常に深刻な問題を抱えている。実際、小児科・皮膚科の医者にアンケートを採った結果、アトピーを患う子供を持つ医者14人中、14人全員が患者にはステロイドを処方しているが、 13人が自分の子供にはステロイドを処方していないと云う。これが意味しているところは明らかだ。
また、これ以外に漢方薬、強酸性水、温泉療法などもアトピー治療に効果的といわれているが、実は逆効果であるらしい。
- ステロイド
- ステロイドは本来体内で産生されるホルモンで、皮膚に脂を出させる信号の役割をする。
- その量は100万分の1gであり、外用ステロイド剤に含まれる量は異常。
- 本人の産生するステロイドには特定の鍵型があり、細胞にはそれにぴったりの受容体が存在する。
- ステロイド剤はいわば万能鍵のようなもので、あらゆる人の受容体に一致する構造を持つ。
- ステロイド剤を使用し続けると、受容体はステロイド剤の鍵に合わせて変形する。なにせ、本人のステロイドより圧倒的に多いのだから。
- 受容体はステロイド剤に合うよう変形してしまっているため、本人のステロイドはもはや受け付けられない。だからステロイド剤をやめると ステロイドは全く不足してしまい、以前より悪化する。これがリバウンドの原理。
- 漢方薬
- 理論的に効くとされるものは無い。
- ほとんどが中国四千年の歴史と偉い先生の処方によるプラシーボ効果。
- だから赤ちゃんには効果が無い。
- 根もの(植物の根の部分)はホルモンの素なので、効くとすればホルモンが偶々、良い面に作用している。
- しかし、それも5%にすぎず、残り95%は肝臓へ行くため、肝機能が低下してしまうという弊害がある。
- 強酸性水
- 殺菌効果は高いが、良い菌も殺してしまう。
- 詳細は後述
- 温泉療法
- 時間の関係か、なぜ良くないかの話は聞けなかったが、おそらく強酸性水と同様の問題だろうと思う。
アトピーが出る人出ない人
アトピーになる誘因は、遺伝とも環境とも云われている。しかし、同じ親から生まれ、まったく同じ環境で育った兄弟が 一方はアトピーになり、一方はアトピーにならない。これは遺伝や環境で片付けられない違いがあることを証明している。
では、アトピーが出る人と出ない人ではいったいどこが違うのか。その違いを見つければ、アトピーになる原因がはっきりわかるではないか。
というわけで健康な人とアトピーな人の違いを調べると、大きく違う点が2点見つかった。
- 腸内細菌
- 便検査の結果、アトピーの人の腸内細菌は、健康な人に比べて、平均1000分の1の量しかなかった。
- 腸内細菌は恒常性調節機能に直接的、間接的に関与している重要なもの。
- ホルモン、ビタミンB、酵素などを産生する働きを持つ。
- これらが作られないと、自律神経が不安定になる。
- その結果、免疫系が正しく機能しなくなる。
- ミネラル
- 毛髪検査の結果、アトピーの人は90%以上が、Mg(マグネシウム)とCa(カルシウム)のバランスが悪い。また、ほぼ全員に水銀、アルミニウム、砒素の異常値が検出。
- ミネラルは腸内細菌が産生した生理物質(ホルモン、ビタミンB、酵素など)を細胞に運搬する働きをする。
- MgとCaは自律神経に大きく関与する(弛緩と緊張を司る)物質である。
- このバランスが崩れると、自律神経が不安定になる。
- その結果、免疫系が正しく機能しなくなる。
上記のように、健康な人とアトピーの人の違いは、腸内細菌とミネラルバランスにあることがわかった。そして、 腸内細菌とミネラルバランスは、免疫系を正常に働かせるために欠かせないものであり、アトピーは免疫系の異常によって引き起こされることが判っているのだから、 アトピーの直接の原因は腸内細菌の不足とミネラルバランスの悪化であると言って差し支えなかろう。
ということは、腸内細菌とミネラルバランスを健康な人の数値に近づければ、アトピーは治るということである。少なくとも、内的な原因は解消されるから アトピーの症状が快方に向かうのは間違いない。
ただ、厄介なのは外的な問題、すなわち皮膚にあらわれた症状である。これは悪化している場合、一筋縄ではいかない。
皮膚の問題
アトピーの苦しみの最大の要因は「かゆみ」である。これさえなければ、多くの人がこんなにも悩み苦しむことはないだろう。 痒みはちょっとした刺激に反応して感じるようになり、掻き癖が身についてしまう。記憶された掻き癖は睡眠を奪い、昼夜逆転現象を起こし、自律神経を 混乱させ、精神的にダメージを与えていく。
痒みや炎症を抑えるためにステロイド剤や抗生剤が処方されるが、実はこれらが更なる悪化の原因を引き起こす。
ステロイド剤や抗生剤は、もともと皮膚にいる良い菌を殺してしまい、悪い菌に感染する素地をつくってしまう。
- 良い菌・・・プロピオン酸
- 皮膚を守るためにとても大事な菌。
- 黄色ブドウ球菌やダニ・カビ・ハウスダストなどの異物が皮膚に浸入しないように働く。
- 空気を嫌う性質を持つため、皮脂がはがれると自らステロイド様物質を出し、皮脂腺に脂を出すように指示する。
- これらが作られないと、自律神経が不安定になる。
- pH5~5.5の弱酸性で生きるが、ステロイド剤等は基材のほとんどがpH7のため、常用すると棲息できなくなる。
- 悪い菌・・・黄色ブドウ球菌
- 感染すると神経を刺激して痒みを発生させる。
- pH7で棲息する。ステロイド剤等は基材のほとんどがpH7のため、常用すると感染しやすくなる。
つまり、ステロイドの問題は、プロピオン酸を殺してしまい、自力で皮脂を形成する力を奪ってしまうことにもある。 大抵の場合、痒いまたは炎症の部分を中心に広めに塗ってしまい、結果、周囲までpH7のエリアが広がって、ブドウ球菌はさらに縄張りを広げることになる。 すると痒みの範囲も広がるから、掻き壊して炎症も広がる。またステロイドを塗る。典型的な悪循環である。
殺菌効果が高いと云われている強酸性水も同様の問題がある。たしかに強酸性水はpH2と黄色ブドウ球菌を殺すのに充分である。しかし、pH2ではプロピオン酸 も死んでしまうのだ。ピンポイントで黄色ブドウ球菌のいる箇所にのみ塗ることが出来ればよいが、スプレー等ではそうもいかず、周囲のプロピオン酸を殺してしまう。 その結果、自力で皮脂を作れなくなり、無防備になった肌はダニ・カビ・ハウスダストなどの浸入を許してしまい、あらたな炎症を引き起こす原因となる。
皮膚の問題を解決するためには、まずプロピオン酸が増殖できる環境を整える。すなわち、皮膚のpHを5~5.5の弱酸性に保つことが必要。そうすることによって プロピオン酸の棲息が始まった部分から皮膚は正常化していく。ただし、正常な皮膚と炎症の境界線では神経の断層ができるため痒みが強く、掻かないでいるのが困難なので 回復は一進一退となり、時間がかかることが多い。
アトピーを治すには
アトピーを治すには上記の3点、すなわち、
- 腸内細菌を増やす
- ミネラルをバランスよく摂る
- 肌のpH調整をする
を実行することにより、5割方治るそうである。
- 腸内細菌を増やす
- ヨーグルトを食べよう。ただし、市販品では必要な菌の種類が取れないので、手作りが望ましい。
- 食生活に気をつけ、腸内環境を安定させる。豆類、ゴマ類、海藻類、野菜類、小魚、菌類、食物繊維を摂るように心がける。
- ミネラルをバランスよく摂る
- ミネラルバランスの良い水を毎日(体重×3%)程度摂取する。
- お風呂に天然塩を一握り(50g)入れると浸透圧により皮膚から吸収する。
- 当然食事でも、旬の野菜や海藻類を多く摂る。
- 肌のpH調整をする
- 殺菌は常在菌(プロピオン酸)の生存域であるpH4とする。
- 保湿はpH5~5.5を目安に考える。
残りの5割は、
- 知識・理論を身につける(20%)
- 代謝を良くする(20%)
- 不安を解消する(10%)
だそうだ。
- 知識・理論を身につける
- 「なぜ悪化するのか」ということを知識・理論として持っていれば、いたずらに不安に陥ることなく、自制心の助けとなる。
- 代謝を良くする
- 歩く、話す、笑う、早起きする。これらが代謝を良くする。これらを実践するためには働くことが一番。
- これらをしないと、カロリーを消費しきれないから、余剰エネルギーは皮膚から代謝され、痒みが倍増する。
- 不安を解消する
- 不安を抱いていると、自律神経が安定しない。
- 不安を完全に取り除くためには家族や周囲の協力が必要。
2003年7月11日
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