わかる唯識

「わかる唯識」を読んだ。今後の復習のため、内容をまとめておく。

唯識とは仏教の深層心理学である

煩悩

煩悩=心の表面に浮かんでくる悩み

隋煩悩

ありふれた付随的な悩み

表記 よみ 意味
忿 ふん いかり
こん うらみ
ふく ごまかし
のう なやみ
しつ ねたみ
けん ものおしみ
おう だますこと
てん へつらい
がい 傷つけること
きょう おごり
無慚 むざん 内的無反省
無愧 むき 対他的無反省
掉挙 じょうこ のぼせ
昏沈 こんじん おちこみ
不信 ふしん まごころのなさ
懈怠 けだい おこたり
放逸 ほういつ いいかげんさ
失念 しつねん ものわすれ
散乱 さんらん 気が散っていること
不正知 ふしょうち 正しいことを知らないこと

根本煩悩

隋煩悩を「症状」とすれば、根本煩悩は「病因」

表記 よみ 意味 詳細
とん むさぼり 「自然な欲求」ではない、「病的な欲望」
しん いきどおり 過剰な自己防衛、攻撃性
おろかさ 人生の肝腎なことを知らない、無知→(参照:智慧)
まん たかぶり 自分と人を比べる心。いきすぎた優越感、いきすぎた劣等感
うたがい 考え方、生き方が定まらない、迷っている、ためらっている態度
悪見 あっけん あやまった見方
  1. 身見…自身は身体であり、永久に変わらない
  2. 辺見…偏ったものの見方
    • 常見…死んでも魂は永遠と信じ込む。盲信、狂信
    • 断見…死んだらそれっきり、断絶。ニヒリズム
  3. 邪見…因果関係を否定する、ふてくされたものの見方
  4. 見取見…自分の見方・思想にこだわるものの見方
  5. 戒禁取見…戒めや禁止にこだわる考え方

さらに深い根本煩悩がある

表記 よみ 意味
我癡 がち 無我ということへの無知
我見 がけん 自分にこだわるものの見方
我慢 がまん 自分を誇り、頼ること
我愛 があい 自分に執着すること

表記 よみ 意味
しん まごころ
  1. 信認…正しいことを認識し、それを保つ
  2. 信楽…それを実行し、実際的な効果を味わい、楽しむ
  3. 信欲…実現する信頼感によってますますやる気が出てくる
ざん 内的反省 ←→無慚
対他的反省 ←→無愧
無貪 むとん むさぼらないこと ←→貪
無瞋 むしん いきどおらないこと ←→瞋
無癡 むち おろかでないこと ←→癡
精進 しょうじん 努力
軽安 きょうあん 爽やかさ
不放逸 ふほういつ なまけないこと ←→放逸
行捨 ぎょうしゃ 平静さ
不害 ふがい 傷つけないこと ←→害

善の概念は煩悩に対する否定の形で表されるものが多い

八識

凡夫(普通の人)の心の仕組み。六識→マナ識→アーラヤ識と三層構造になっている。

六識

「眼耳鼻舌身意」

五識(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚/身体感覚)+意識

マナ識

深層自我識。四つの根本煩悩の働きが潜んでいる。

アーラヤ識

いのちに執着する心の底の働き。

煩悩の種子、覚りの種子を蓄える。

四智

八識が転換して四智を得る事が覚り。「転識得智(てんじきとくち)」

表記 よみ 意味
大円鏡智 だいえんきょうち 全てが一体である宇宙のあるがままを感じる <アーラヤ識
平等性智 びょうどうしょうち 皆が等しく一体で自分と他人を区別しない心 <マナ識
妙観察智 みょうかんざっち 全ては一体であるが、現れの上で仮に分かれているということを観察・洞察できる智慧 <意識
成所作智 じょうしょさち その時その場にふさわしい事を成し遂げる智慧 <五識

三性

ものの見え方の三つの性質

表記 よみ 意味
遍計所執性 へんげしょしゅうしょう あらゆるものが分かれていると考え思い込んでいる心の状態
依他起性 えたきしょう 世の中のものは皆、ご縁・関係性によって起こるというものの見方
円成実性 えんじょうじっしょう 全てのものは元々は一体であるという見方

凡夫はばらばらの世界から縁が起こると考えるが、仏は一つの世界から仮に分かれてご縁ができると感じる。

	     ┌ 遍計所執性
	凡夫-八識│   ↓
	     ├ 依他起性(凡夫と仏に共通の世界)
	 仏-四智│   ↑
	     └ 円成実性
	

五位

凡夫→菩薩→仏という成長の段階

表記 よみ 意味
資糧位 しりょうい 修行の旅の資金や食料を準備する段階
加行位 けぎょうい 実際の修行を加えていく段階
通達位 つうだつい 覚りの第一歩に到達した段階
修習位 しゅじゅうい いっそう修行し習って身につけていく段階
究竟位 くきょうい 究極の段階

六波羅蜜

大乗仏教の基本的な実践の方法

表記 よみ 意味
布施 ふせ 人に施す→固定的・実体的な自分も他人もないと実感してさわやかに自然に生きる ※無財の七施
持戒 じかい 修行の助けになる事はやる、邪魔になる事は避ける
忍辱 にんにく 侮辱・迫害などを自分の一部ととらえ、自分全体が堪える
精進 しょうじん 何を優先するかよく考え、脇目もふらずまっしぐらに努力する
禅定 ぜんじょう 心を安定・集中させると、だんだんと一つの世界が見えてくる

  • 調身…体を座って落ち着かせる
  • 調息…ゆったりと長く深い息に整える
  • 調心…呼吸を整え、集中することで心を整える
智慧 ちえ 学んだことを頭・意識で理解し、他の五波羅蜜(特に禅定)を実践しながら、実感する
無財の七施
財力・実力がなくてもできる布施
  • 眼施…人を優しい眼で見る
  • 和顔施…やさしい顔をする
  • 言辞施…やさしい言葉をかける
  • 身施…体を使ってできることをする
  • 床座施…席をゆずる
  • 心施…心で思う
  • 房舎施…宿を貸す