小児科


O先生のこと

2001.03.23~

3月23日

近所(といっても歩くと20分以上かかる)にアレルギー科のある小児科があり、shokoが行ってみたいというので、いおぴーを連れて一緒に行ってきた。うちは基本的には病院には行かない方針なのだが、そこの先生が「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」に寄稿していたということもあり、うちにとって良い病院が近所にあれば万一の場合に安心してかかれるので、品定め(失礼)のつもりで出かけたのだった。

病院は住宅街にあり、待合室は子供と母親でけっこう混んでいた。受付の様子では定期的に訪れている馴染みの客、いや患者が多いようだ。待合室にはおもちゃがたくさん置かれており、いおぴーも早速夢中で遊んでいた。20分ほど待って、順番がきたので3人揃って診察室に入る。院長であるO先生は80を越える高齢でいらっしゃるが、言われなければとてもそうは見えない。60代後半の元気さだ。椅子に座るとまずは質問攻め。

「どうしてうちを知ったの?」

「『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』に寄稿されていたので」

「そりゃ倅だな。そんなとこに寄稿してたとは知らなかった」

「これまでかかった病気は?」

「突発性発疹とロタウィルスにかかりました」

「その時はどこの病院にかかった?」

「いえ、病院には行ってません」

「じゃあ、どうしてロタウィルスと解った?」

「本を読んで症状がそうだったので・・・」

「素人が本を読んで解るか。それで子供が死んだらどうする」

「はあ・・・」

「予防接種は何と何をやった?」

「何もしてません」

「予防接種をしないなんて、子どもを殺そうとしているようなものだ。アメリカに行ったらね、土人扱いされて入国も許可されないよ」

「・・・」

といったやり取りの後、O先生は呆れたように、
「うちの倅が何をかいてたか知らないが、私はあなた方の考えてるような医者ではありません。ステロイド剤も出すし抗生物質も出す、検査にはレントゲンも撮る。それがいやならお引取りを」
とおっしゃる。はいそうですかと出て行くわけにも行かないので困っていると、さらに
「母乳だからって免疫があると思ったら大間違いだ。私の子供は生後7日まで母乳だったが8日目に咳が出始め、46日目に死んだよ。百日咳だ」
「今、世界中で何人がはしかで死んでると思う?140万人だ」
等々、お説教が続いた後、もう一度、
「薬が要るなら出します。要らないなら帰りなさい」
と言われたので、
「では、うちでゆっくり考えて出直します」
と言って席を立った。

すっかり思惑が外れ、時間の無駄だったとShokoと顔を見合わせながら病院を出て行こうとすると、マイクでいおぴーの名前が呼ばれ、もう一度診察室に通された。どういうことかと思ったら、O先生よほど納得がいかなかったのか、再び説教を始めた。内容はさっきとまったく同じ。で、
「薬が要るなら出します。要らないなら帰りなさい」と言われたので、
「もう一度、じっくり考えて出直します」と答えて帰ってきた。

Shokoは行って良かったという。少なくとも万一の場合にこの病院を選ばずにすむから。

3月24日

家にO先生から電話がかかってきた。

O先生は「予防接種は国民の義務だから絶対受けろ」と言う。Shokoは今は任意ですよと反論しようと思ったが、なにか可哀相だったので言わなかった。それからまた質問攻めにあい、ホメオパシーのこととか、山西先生の母乳相談のこととか、最終学歴とか(何故?)、いろいろShokoから聞き出して、最後に
「うちに来ないのはあなたの自由だが、予防接種には行くように。では永遠にさようなら」(爆)
というセリフを残して電話は切られた。もちろん善意なのだろうが、一歩間違えばストーカーだぞ、これって。まあ、最後にお茶目なセリフで笑わしてくれたから許すけど。

3月27日

またO先生から電話がかかってきた。永遠にさようならじゃなかったのか?(^^;

O先生、山西先生に電話したらしい。で、予防接種について話した結果、うちの方針もある程度理解したようで、前回は義務だと言い張ったが任意になったのも認め、けっこう謙虚な姿勢だった。山西先生のことを尊敬しているとも言っていた。この前は軽蔑こそすれ、尊敬は出来ないと言ってたくせに(^^;しかし、予防接種はやっぱり受けた方がいいよという立場は変わらず、しつこく勧められた。また、ホメオパシーについてあれこれ聞いた後、勉強したいから教えてくれというのでshokoは何冊か本を紹介した。Shoko曰く、O先生80過ぎてホメオパシーに出会ったら人生変わるかも・・・。てゆうか、医者のくせにホメオパシー知らないなんて不勉強過ぎだろ。どうせ本も読まないと思うけど。

3月31日

またまたO先生から電話がかかってきた。

今回は保育園の卒園式に出かける準備をしている最中だったから、まじで勘弁してくれという感じだったが、shokoは淡々と相手になっていた。話の内容は前回とほとんど同じ。ただ、真弓先生の所へ行って来たそうで、「真弓君も予防接種はやってたよ」。真弓先生は先日健康診断のために行っただけで、別にうちのかかりつけではないのだが。 他にも、ホメオパシーの本を買ったとか、そんなことを一方的に喋って切れた。いいかげん腹が立ったが、Shokoは何やら運命的なものを感じているらしく、まんざらでもない様子。

4月2日

またまた、O先生から電話がかかってきた。

ホメオパシーの本を読んだそうだ。で、寅子先生の治療を受けるつもりだという。予約をしようとしたら半年先までいっぱいといわれて、「こっちは半年先に生きてるかどうかわからないのに」と怒っていた。これからホメオパシージャパンへ行ってくるという。なんて行動的なんだ。ちょっとすごいと思った。いおぴーのアトピーはその後どうだというから、亜麻仁油でだいぶよくなったと言ったら、一度見せに来いと言う。大きなお世話なんだけど。最後にShokoに対し、
「あなたのように自分の頭で考えて行動する女性は珍しい。敬意を表する。お友達になってください」
と言う。おいおい、ちょっとまて(^^;

4月3日

突然、O先生が家にやって来た。

これにはShokoも度肝を抜かれた。どひーって感じ。いおぴーの様子を見たいので来たと言う。しかし、いおぴーは保育園に行っている。Shokoはしかたなくお茶を出し、O先生とホメオパシーの話。昨日ホメオパシージャパンへ行って予約しようとしたら、寅子先生はもう治療はしないと断られたらしい。可哀相に、反対派の医者が乗り込んできたと思われたのかな。例によってShokoは質問攻めにあい、レメディのキットを見せて説明したり、本を紹介したり。O先生、
「勉強してホメオパスになっちゃうかもよ」
などとお茶目なこと言ったりして。

Shoko、「ぜひ、なってください」。

30分も話した後、O先生は保育園にいおぴーの様子を見に行くと言い出す。さすがにそれは勘弁と「まだ仕事があるので」と言えばあきらめるかと思いきや、、地図を書いてくれれば一人で行って、ちょっと顔を見てすぐ帰るという。Shokoはしかたなく地図を書き、O先生がいおぴーを見に行く旨を保育園に電話する。O先生が家を出て、30分もしたらShokoもいおぴーを迎えに出かけなければならなくなった。Shokoが保育園に着くと、ちょっと顔を見てすぐ帰ると行ってたくせに、まだいる、しかもいおぴーの服を脱がせて丹念に見ているではないか。もー、うんざり。

「亜麻仁油と馬油の効果はこれで解りました。これからも、あなたはあなたのやり方でやってください」といって去っていったO先生。どーゆー意味だろう。所詮その程度の効果か。好きにやってれば?っていう風にShokoには受け取れた。やな感じ。

4月5日

昨日電話が無かったので、ホッと一息ついていたShoko。しかし、今日またまたO先生から電話がかかってきた。今日、また真弓先生のところへ行ってきたらしい。(一体、何しに行ってるんだろう?)

「真弓先生のところでもステロイドは使ってましたよ。予防接種もしてるし」

「はあ、そのようですね」

「でもいおちゃんは亜麻仁油が効いてるようだから、あなたはそれを続けた方がいいですよ」

「はあ」言われなくてもそうするよ。快方に向かっているのは認めたようだ。

「私の所へ来たら抗生物質を使いますから、来ないで下さいね」

何が言いたいんだろう(^^;

「ストーカーまがいの事をしましたが、いおちゃんがよくなってるのを見て安心したので、もうこちらからは連絡しません」

お、終結宣言か?
といったやり取りがあって電話は切れた。

約10分後、意表をついてまた電話が・・・。

「さっき真弓先生のこと話したけど、真弓先生の所へ行けと言ってる訳じゃないですからね、あなたは自分のやり方でやればいいんですよ」

わかったってば。もう勘弁して。

「私のほうから連絡することはもう無いですが、よかったらお友達として、いおちゃんを見せに遊びに来てください」

それが言いたかったのね。O先生、実は単にさびしいだけなのでは・・・

『また電話かかってくる』に50カノッサ。

4月11日

今朝、5日間の沈黙を破ってO先生から電話があった。それも3回。

「いおちゃんの具合はどうですか」

Shokoがだいぶ良くなっていることを伝えると、亜麻仁油を飲んでるのかと訊くので、亜麻仁油もそうだが最近使っている水がよいようだと話す。ひととおり水のことを説明するがあまり理解できなかったようで、話は替わり、
「5月12日に寅子先生の治療を受けることになった」と言う。 どうやら予約が取れたようだ。そして、
「私は50年以上医者をやってきて、82歳で考え方が変わりましたよ。西洋医学なんてダメですよね」 おお、すごい!Shokoが本当にO先生を変えた!

「いえ、ダメなのではなく、役割が違うだけだと思いますよ」とShokoが言うと、ちょっと嬉しそうだったらしい。と、そんな話をして、Shokoは保育園へいおぴーを送らなければならないので電話を切った。

受話器を置いたとたん、また電話が鳴る。 O先生だ。 開口一番「1秒で切るから」って、無理だろ。
「あなた、オーリングって知ってる?」
Shoko、「知ってますけど」
「なにで知ったの?」
「それは本を読んだり・・・」先日行った快医学の講習でもオーリングについて学んだことを話すと、「あなたは本当にいろいろ勉強してるね。情報を得たい時は、あなたが一番だ。これからもお友達としてよろしく」(^^;

実は、O先生も今ちょうど快医学の本を読んでいるところで、どうやら自分が得たホリスティック医療についての知識をShokoに披露したかったようだ。「お出かけのところ申し訳ない」と言って電話は切られた。

10分後、Shokoが出かけようとするところへ、また電話が鳴った。

「まだ、出かけてなかったの」

で、何の用かと思えばさっきと同じ話を繰り返した挙句、

「いおちゃんが熱出したりしても、病院なんて連れてっちゃだめだよ。あなたがホメオパシーで治してあげなさい。いろいろやってみて、どうしてもダメという時は、なんなら私が診てもいいけど。医者って奴は患者に頼られたら断れないんだよね」

Shoko、苦笑。

夜、保育園の副園長のN先生から電話がかかってきた。何の用件かと思ったら、

「今日、O小児科の先生からお電話がありまして・・・」

す、すみませんご迷惑おかけして。
O先生、いおぴーの様子をN先生に根掘り葉掘り質問したらしい。
N先生はいおぴーの湿疹が目に見えて良くなっていること、その理由を訊かれ、肌水を替えたのがよかったようだということをO先生に話してくれていた。
O先生はそれを聞いて、「その水はステロイド入ってるんですよ」とN先生に言ったらしい。入ってねーよ!
それから、また予防接種のことをあれこれ言われ、

「『予防接種は任意ですし、うちの保育園でも他にも受けていない子はいましたから』と言っておきました。その子の親が医者だってことは言いませんでしたけどね」(N先生がぺろりと舌を出す顔が目に浮かぶようだ)

それにしてもO先生は、医者のプライドか営業上の都合なのか、保育園に対してはバリバリの西洋医学至上主義者の立場をとっているようだ。どうでもいいけど。

O先生、お願いだから保育園には迷惑かけないで下さいよ。
Shokoがお友達になってあげるから。

4月13日

今朝電話が鳴ったが、いおぴーが水疱瘡にかかったらしく、電話どころではなかったので留守番電話にしておいた。O先生だった。

「快医学診療所のことについて教えてください。あと、ホメオパシーのことも聞きたいので電話ください。いおちゃん、良くなったそうでおめでとう。それでは、ごきげんよう」

O先生、心なしか声がさびしそうでした。

4月14~23日

毎日4、5回電話が鳴る。留守電にしているのだが、メッセージは入らず、すぐ切れる。多分O先生からだろうなあ、と思いつつ、いおぴーのみずぼうそうの説明するとまた話がややこしくなりそうだし、一旦出ると長くなりそうなので電話には出ないことにしている。O先生には悪いけど。まあ、ほんとに用事があるんなら何かメッセージ入れるでしょ。

4月24日

保育園から電話があった。土曜日にO先生から電話があったとのこと。いおぴーの様子を聞かれて、みずぼうそうで休んでいることを伝えたらしい。いおぴーのみずぼうそうのことが知れると、話がややこしくなりそうなので、すっかり直るまではO先生との接触は断とうと思っていたのに、ばれちゃった。まさか、また保育園に電話するとは。
O先生、いおぴーは大丈夫かとか病院へは行っているのかとか、いおぴーは身体が小さいから心配だとか、例によってしつこかった模様。O先生が自分の来歴を語りだすに至ってN先生、「先生、そのお話は3度目です」とピシャリと言ったとか。

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