とりあえず旅行はキャンセルし、当分自宅でおとなしくしていることにしたものの、彼女的には衛生病院のジイ様先生がどうにも納得いかないらしく、インターネットで色々調べた結果、近所にAクリニックという個人の産院があり、そこは家庭的な雰囲気で水中出産とかもやっていてしかも出産費用も衛生病院よりもかなり安くつくらしいということが判ったので、そっちに行こうかしらなどと言う。確かに費用は安いに越したことはないが、それよりも医者の言いなりになる環境というのが気に入らないので、ここはひとつ、病院のハシゴをしてでも自分で納得できる環境を手に入れるのが大切じゃなかろうかとそのAクリニックへいくことを積極的に勧める。
そうしてShokoは早速翌日Aクリニックへ行ったのだったが、結果から言うとこれは正解だったようだ。Aクリニックの先生は若くて(といっても40代?)真面目そうなタイプで、診察内容を丁寧に説明してくれ、非常に好感が持てたそうだ。建物もこじんまりしているがセンスが良く、彼女の気に入ったらしい。
肝心の診断だが、A先生の診断では、切迫流産の心配もあるにはあるが深刻なものではなく、普通に生活する分には大丈夫とのことだった。 やはり医者のスタンスで患者への指示も随分と異なるということが判り、それだけでもハシゴした価値はあったというものだが、実は何を隠そう、もっと意外な収穫があったのだった。
驚くべき偶然というべきか、神のお導きというべきか(私は無神論者ですからあくまでも比喩です)、Aクリニックで診察を受けたときその場にいた看護婦さんが、何とShokoの高校時代の同級生だったのだ。
「あら、あなたはもしや・・・」
と、診察台に横たわったままの間抜けな格好で18年ぶりの再会を果たしたのだそうである。 想像するだに滑稽である。
麻由美さん(その看護婦さん)は、フリーの助産婦さんで、Aクリニックには非常勤で来ているらしい。3人の子持ちだそうである。大先輩だ。
診察の後、お茶しながらいろいろ話を聞いて、すっかりAクリニックに乗り換える気になる彼女だった。衛生病院に不服があるわけではないが、こういうこともあるからね、やはり病院選びは積極的に、納得のいく所を見つけようとする心がけが必要なのだと思う次第であります。
まだ9mmしか無いらしい。
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