免許証

会社を休んで試験場に行ってきた。あと二日で失効から6ヶ月経過し、ほんとに免許無くなるところだった。

2時間の講習を受けた。教官がいい話をしてくれた。お坊さんの講話で聴いたらしい。「保護者の愛を受けて育った人間は罪を犯さない」そしてお坊さんは「これは真理です」と語ったそうだ。教官は家に帰ってさっそく真理を辞書で調べた。そして知った。「真理とは何ぞや」ここで一息間を置く。次の一言に重みを持たせようとしたのだろうが、出てきた声は思惑とは裏腹に「ほんとのことー」と、妙に甲高いひっくり返った声になってしまった。「かなしいときー」みたいな声。辞書を引いた話はしないほうがよかったと思った。とうちゃんはその後の講習時間中、その声が頭の中をぐるぐるして、笑いをかみ殺すので必死だった。

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