インド式計算法というのがどのくらい役に立つものか、ふと興味が湧いて、図書館で本を借りてみた。
インド式は、様々な工夫されたメソッドがあって確かに簡単に速く答えが出せるのだが、それを活かせるパターンは意外と限られている。日本式の筆算よりは確実に速いが、ソロバンの暗算と較べると総じてソロバンのほうが速い。
例外的にソロバンよりも速く計算できるメソッドもあり、これには感心した。99を掛ける二桁の掛け算、例えば99×48=という計算はわずか1秒で答えを出せる。どうやるかというと、
(B-1)×100+(100-B)
つまり、この例の場合、48から1を引いた数(47)が、上位二桁となり、それに対する99の補数(52)が下二桁になる。答えは4752となる。今までこの計算は、100×48-48とやっていたが、それより速い。見た瞬間答えが出るところに美しさを感じる。
ほかにも、「一の位を足すと10で十の位が同じ」(78×72=)や、「十の位を足すと10で一の位が同じ」(27×87=)という計算も素早く答えが出せて気が利いているが、二桁の掛け算としてはそれぞれ30数パターンしかなく、実用度はそれほど高くなさそうだ。
結論としては、ソロバン>インド式>日本式であり、インド式は覚えておいて損はないが、ソロバンが身についた人には不要。
水野 純
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