アンドルー・ワイル著「癒す心、治る力」を読む。まだ最初の数十頁しか読んでいないが、ちょっと感想。
西洋において、科学的医学の中心となる課題は病気の外的因子の正体を解明し、それを叩く武器を開発することにあった。今世紀半ばの輝かしい成果は抗生物質の発見である。おかげで医師は細菌によって起こる感染症との戦いに偉大な勝利をおさめた。
西洋医学は軍事大国アメリカに似ている。己に害をなすものには惜しみなく武器を投入し、根絶を試みる。一見、効果は絶大であり、成功を収めたかに見えるが、その陰には犠牲(副作用)も少なくない。しかもすぐに問題は再発し(時にはさらに悪化し)、結局何の解決にもなっていなかったりする。
武力解決を批判する平和主義者は大勢いても、西洋医学の在り方には無頓着な人が多い。戦場は自分の身体だというのに。
武器は危険なものである。バックファイアーを起こして使い手を傷つけることもあれば、敵を刺激して火に油を注いでしまうこともある。実際、感染症専門医たちは今世界中で、抵抗菌の続出という手のつけられない悪疫がひろがる可能性に文字どおり恐れおののいている。
抵抗菌はさしずめベトナム戦争における米軍にとってのべトコンだろう。最新の火器を続々と投入し、叩いても叩いても根絶するどころか、自軍が疲弊するばかり、終いには拒否反応を起こし、GIVE UPを余儀なくされる。
そして米国も西洋医学も、今なお同じ戦略を繰り返し続ける以外に道を知らない。
shokoの友人のYUKAさんがこんなことを言ったそうだ。「私たちの子供の頃は、全員予防接種していたのに、毎年学級閉鎖になってたよね。皆、なんで学ばないかな」
。至言だ。
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