疲労か風邪か、shokoが寝込んでしまった。「死ぬかも」とか言っている。大変だ。死なないと思うが。
12月3日の思い出
12月7日の今、まとめて過去の日記を書こうとしているわけだが、日記のネタになるような事を思い出すのがなかなか難しい。とうちゃん自慢の記憶力も随分と鈍ったものだ。
しかし、30年前の1972年12月3日のことなら、今でも昨日のことのように思い出すことができる。忘れられないあの日…。
昭和47年12月3日、日曜日。この日とうちゃんは商工会議所の珠算競技会に出場し、なんだか中途半端な賞をもらったのだった。が、そんなことはどうでもいいのだ。競技会が終わった後、とうちゃんは一刻も早く家に帰りたかったのだが、付き添いの父が変に気を利かせて、できたばかりの西武デパートに連れてってやろうと言い出した。ちょっとそそられて、行ってはみたものの、紳士服やら婦人服やらばかりでちっとも面白くない。どうしても早く帰らねばならない理由のあるとうちゃんは、父を急かして家路に着いた。
すっかり日が短くなって辺りはもう暗い。なんとしても7時までに家に着きたいと気があせるとうちゃん。どうにかぎりぎり7時に家に着いた。しかし。家は鍵がかかっていて誰もいない。母と弟は親戚の家に行っているのだった。そして、父は家の鍵を持って出るのを忘れるという間抜けぶり。家に入れないではないか。父はこのまま親戚の家に行こうと言う。だが、とうちゃんにはそんな時間は残されていないのだ。今すぐ家に入らねば間に合わない。必死の思いで家中の戸締りをチェックした結果、一箇所クレセント錠の掛かりが甘いガラス窓を発見。経験上、ギシギシと小刻みに窓を動かせば錠を弛めることができるという事をとうちゃんは知っている。空き巣さながらの努力の甲斐あって(ほとんど父がやってくれたのだが)、錠が外れ窓が開いた。とうちゃんは窓から部屋の中に飛び込み、大急ぎで茶の間に向かうとテレビのスイッチを入れた。
テレビから「♪見ーたか、君ーは」と初めて聴くカッコイイ曲が流れてくる。嗚呼、これはエンディングテーマだね、ということは、間に合わなかったよ、よ、よ。喪失感に打ちひしがれ、その場にくずおれるとうちゃん。その後の記憶はない。
こうして、期待の新番組「マジンガーZ」の第一話を見逃してしまった当時小学三年生のとうちゃんは、翌日クラスの話題に全くついていけなかった口惜しさを、今も忘れていないのだった。
これを書いていて、あの時の父が今の自分より若いと気づいてちょっと吃驚。感慨深いなー。
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