未明
またしても夜明け前に目を覚ましたいおぴー、まあ夕食を食べてないから仕方がないのだが、「お腹がすいた」と言い出したので、昨日のお弁当の残りのおにぎりを食べさせる。が、満足せずギャーギャー喚く。毎日こんなんじゃ、いおぴーも可哀相だが、とうちゃんかあちゃんも寝不足でつらい。何とかしないと。
朝
今日の朝食は、トースト。1日目と同じメニューだ。トースト・サンドウィッチ・和食のローテーションなのかな。いおぴーは毎朝だしてくれるフルーツヨーグルトのデザートだけがお目当て。他のものはまともに食べない。それですぐ腹減ったとか言うからむかつく。
食事の後、shokoが洗濯機を借りにいったら、シムさんに呼び止められ、廊下で話し込んでいた。話の内容は、「いおぴーが余りにもうるさくて他の客に迷惑なので、残り分のお金は返すから出て行ってくれないか」ということだった。うるさくて申し訳ないとは思っていたが、まさか追い出されるとは。とうちゃんは、「せっかくのロンドンだから同じ宿に一週間いるより、違うところにも泊まれてラッキー」とポジティブシンキングだが、shokoは引越しで貴重な時間をロスするのがウンザリという感じ。いおぴーにいたっては、とうちゃんとかあちゃんが立て続けに「いおちゃんがあんまりギャーギャー言うから、シムさんに、もう出てって!って言われちゃったよ。どうする」と脅したもんだから、すっかり落ち込んで、怯えてしまい、シムさんと顔をあわせそうになると顔を隠して逃げ回る始末。ちょっと言い過ぎたか。宿にいるのも辛そうで、「出ていく、出ていく」と言うので、可哀相になって、shokoが荷物をまとめ終えるまで近所の公園で遊びながら待つことにした。
魔法の水
公園でしばらく遊んでいると、携帯にshokoから電話があったので、一旦、宿に戻る。そして、今日は学校で仕事の予定なので、地下鉄で学校に向かう。学校で次の宿を探してもらい、見つかり次第、荷物をとりに戻ってチェックアウトするという段取りになったようだ。学校に着いて、仕事の間、いおぴーにはディズニーのヴィデオを見せておくが、まだ時々キーキーと癇癪を起こしたりして落ち着かない。見かねたSさんが、バッチフラワーのドースボトルをつくってあげたらどうかと勧めてくれた。おお、どうして今まで思い至らなかったんだろう。そもそもバッチの仕事でイギリスまで来ているというのに。早速、いおぴーが水を入れて持ち歩いているペットボトルに、チコリー・バイン・ホリーを数滴ずつ入れ、いおぴーに「魔法の水だよ」と言って与えた。いおぴーは魔法の水と聞いて喜んで飲んでいる。これでもう心配ないと思えて、こっちの気が安らいだ。
引越し
学校で新しい宿を見つけてもらったので、引越しのため宿に戻る。荷物を運び出す間、いおぴーは恐縮してますといった表情で、終始しおらしい態度だ。さっそく魔法の水が効いたのだろうか。でも最後までシムさんと目を合わせることができなかった。シムさんを悪役にしてしまって申し訳なかったな。宿を出て、大通りでタクシーを拾い、新しい宿に向かう。今度の宿はパディントンだ。着いてみると、ごく普通のビジネスホテルのよう。ちょっと違うのはフロントのお兄さんがジョニー・デップ風ということくらいか。部屋も何の変哲もないダブルルーム。部屋にシャワーがついて時間制限もないのがありがたい。しかし、ネットを接続できる環境がないのはかなり手痛い。前の宿に比べたら全体的に面白みには欠けるが、臨時の宿なので贅沢は言えまい。せいぜい、今度は追い出されないようにしないと。
遅い昼食
荷を解いて、ひと息ついていたら、あっという間に5時近くなってしまった。まだ昼食も食べていない。タクシーでトッテナムコートロードまで出て(ここで学校の人と待ち合わせをしていたので)、何か食べることにした。イタリアンレストランに入ったが、いおぴーはタクシーの中で寝てしまっており、店に入っても起きる気配をまったく見せず、またも食いっぱぐれることとなった。サラダ、スパゲッティ、ピッツァを注文し、シェアして食べたが、いずれも大味で、美味しいと喜べるほどのものではなかった。この店だけでイギリスのイタリア料理を語るのもなんだが、とうちゃんのなかでは、イタリア料理はイギリスより日本やタイのほうがずっと美味しいと結論付けられた。ていうか、イタリア行きたい。
学校へ寄って一仕事し、帰って寝る。
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